そうして、2人一緒にいつもシルビアが寝ている布団にはいっていた。
内心シルビアはどきどきしていた。綺麗な顔だとは思っていたが、近くで見るとよりなんて整った顔をしているのだろうとおもってしまう。長い睫毛、細く通った鼻筋、綺麗な少し広角の上がった口と艶やかな唇。二重の目をよく見ると縦に線が入っていて、綺麗な赤と黒のグラデーションでまるで猫のようで少し可愛い…。眉毛は完璧と言って良いだろう、目に少し近い、声もとても良い声をしているし、現実の人間とは思えない…完璧だ。
スウは、顔をじろじろ見られていることに気づいていたが、嫌な気持ちはなかった。いくらでも見て欲しいと目を合わせたらそらされてしまうと思って斜め45度を見てシルビアの髪をみていたが、どうしても目を合わせたいと思ってしまって、こういう風に顔を突き合わせて寝られるのも最初で最後だと思い、後悔する羽目になってはいけないと、すっと視線を動かし、シルビアの目をじっと見た。なんて透き通った目をしているのだろう。
シルビアは、じろじろ見ていたことに気づかれてはいけないと思い、慌てて視線を逸らそうとするが、スウに、
「お嫌ですか?」
と聞かれてしまっては、逸らすことができない。「いいえ!すみません…じろじろと見てしまって…とても綺麗な顔立ちをされているなと思いまして…ハーフですか?」
ワイトは少し顔を赤らめて、
「ほんとうですか!嬉しいです…シルビアさんもとてもお綺麗で可愛いらしいです…顔が熱くなってきました…ハーフ?ハーフとは?」
シルビアはハーフという概念がこの世界にはないのかとしまったと思いながら、
「あ…いえ、ハーフごほん、ハーフさんに似ていてあははは」
と言いながらどうにか話題を変えようと風呂で思っていたことを聞いてみる。
「奥さん綺麗なんでしょうね!お会いしたいなぁー!わたし、母を早くに亡くしてしまって…そういった存在に憧れているんです!!」
と早口に口走る。スウは不思議そうな顔をしながら、
「いえ、わたしに奥さんはいませんよ?どうしてそうお思いになったのでしょう…指輪はしてないですし」
と答える。シルビアは、はっとなんでそう思ったのか思い返しながら答える。
「ん…風呂に入る前に連絡しないととのことだったので、てっきり奥さんにかと…」
今度は、スウが、はっと思いながら、
「ああ、いえ、連絡は職場のほうにしておりました。シルビアさんと一緒に働けること楽しみにしてますよ。ふふふ」
となにか含みながら笑う。
「そろそろ寝ましょう。明日もお早いでしょうし、できれば、仕事が始まる前に、工場の方にシルビアさんの新しい職場についてもお話ししたいですし…」
と話を締めくくり、目を閉じて、シルビアをぎゅっとしながら、少し魔法を使って良い睡眠がとれるように、疲れがとれるように魔法をかけた。シルビアの意識は一気に夢へと沈んだ。その寝顔を見ながら、少しにやにやしながら、スウはシルビアの髪を撫でた。なんて可愛い寝顔なのだろう。スウはそわそわして寝れそうにない自分にも魔法をかけて眠りについた。