「ケートちゃんの“デレ”のほう、レアだな」
「…別にデレてないんだけど」
「ツンデレって俺、ずっとめんどくさいと思ってた。女の子は素直な方が絶対かわいいし」
───けど、
「佳都ちゃんのツンデレはきらいじゃないかな」
ドキ、
…え、いやいや。
ドキって、なんだそれ。
デレた覚えもなければそもそもツンツンしているつもりもない。
“冷めてる”は常套句(じょうとうく)でも、“ツンデレ”はセットじゃない…と思いたい。
けれど、片岡くんにとって私が“ツンデレ”に該当するならもう否定のしようがないなぁ…と諦めていたりもするのである。