何をこんなに向きになる必要があったのか。

片岡くんに対して感じるもやもやを、ぜんぶ消したいだけの八つ当たり。



キュッと下唇を噛んで俯く。

ショッピングモール内のこんな通路で、私はどうしてこんなことを言っているのだろう。



意味わかんない私も、“嘘つきな私”も、
ぜんぶぜんぶ、片岡くんのせいにしちゃいたい。




「佳都ちゃん」

「……、」

「おい、顔上げろ」

「っやだ」

「こっち見ないなら、佳都ちゃんはヤキモチ妬いてるってことにしていい?」

「…、」

「無言は肯定?ねえ、都合よく捉えるよ、俺」