「ねえ、ちょっとお手洗い行ってくる」

「じゃあ先帰ってるわ」

「…、別にいいけど」

「うーそだって。そんな寂しそうな顔すんな」

「そんな顔してませんが?」

「はいはい。わかったからはやく行ってこいよ。待ってるから」




私の手から荷物を奪った片岡くんにそう言われ、私は流されるままにトイレに向かった。




チカさんの誕生日プレゼントは良いものを買えた。


片岡くんは「チカちゃん最近デスクワークが多いから」と言って、目の疲労回復のアイマスクや柔らかクッションなどのリラクゼーショングッズを買っていた。


私は珈琲の詰め合わせとハンカチ。

チカさんと関わるようになったのは同居が始まってからで、好みや欲しいものもあまりわからなかったので、このチョイスにしたのだ。