「あの、先生、いま学校ですか?」


『そうだけど』

「今から学校に行っても良いですか!?」

『良いけど、どうした?』

「進路について相談に乗って欲しいです!」

『それは担任の福原先生に言った方が……』


と言う先生の声を遮って、私は「分かってます!」と焦って話を続ける。


「でも、その前に先生に聞いて欲しいんです。お願いします!」

『……分かった。福原先生は今日は部活の大会で留守だし、俺が聞く。とりあえず職員室に来て』

「分かりました、職員室ですね」


『で、今のくだり、もう一回やるから』


「……は?」


『……俺に直電とか知られたらどーすんだよ、バカ。せめて学校にかけて来い』

「あ、そうか。ごめんなさい、焦ってたんで、つい……」

『ばーか。じゃ、気をつけて来いよ』

「はいっ」


私は大急ぎで学校に行く準備をし、お母さんに伝えて家を飛び出した。