授業中に寝ちゃって、夢まで見て、挙げ句の果てに、
放課後居残りまで命じられちゃったわたしは、桃井 瑠璃葉(ももいるりは)。

虹ヶ丘中学の1年A組45番、
友達関係や部活、あとついでに(ついで?)勉強もがんばる、健在な女子中学生ですっ!

おかーさんとおとーさんと妹の琥珀(こはく)とはなかよく、
友達もちょいいて、文句なしの生活を送っています。

ん?友達がちょいってどういう意味かって?

ハハハ…うんまぁ、うん。なんかあんまり女子とは相性がよくないみたいで…

わたしはその原因のヤツをチラリと見る。

まだ苦しそうに顔を真っ赤にして笑っている、隣の席のヤツは
小柳 晴翔(こやなぎ はると)。

幼稚園から、ずーっと一緒の腐れ縁で、まぁいわゆる幼なじみだ。

フワフワの茶色がかった髪に、くりくりとした目、高めの鼻に、すらりとした体型。
勉強はわたしと同等ぐらいだが、わたしより断然スポーツができる。

こいぬみたいなはるとは、俗に言う、かわいいイケメン男子として
入学当時から噂になっていた。

ふと、顔を上げたはるとはわたしの視線に気づいたのか、こちらに向かって微笑む。

周りの空気が変わった気がする。

気のせいかなぁ〜