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その日は久しぶりに夢を見た。

「ジャンケンポン!」

「わー!駿くんが鬼だ!逃げろー!」

小さな頃の私と駿が、追いかけっこをしているような、懐かしい情景。

「はい、芽穂タッチ!」

「うー、駿くん速いよー」

...…昔はよく、鬼ごっこやかくれんぼを楽しんでいたものだ。

いつもは、寝て覚めればすぐに朝が訪れているのが常識だったのに、今日は違った。

昨日の出来事が、頭の隅っこから離れない。

悔しいことに、駿が転校してきてから、私の頭のなかは駿でいっぱいいっぱいになってしまっていた。

「……うぅ」

頭がぱっとしないまま、私は目を覚ましてベットから体を起こした。