私は、せめてもの誠意が伝わるようにと、膝に頭がつくくらい深々を頭を下げた。
はぁ、ほんと、何やってるんだろう私。
今はバイト中だっていうのに。
あいつのことなんか、考えてる場合じゃないのに。
「本当に、すみません!」
……だって、バイトは私の命なんだ。
バイトをやっていけなければ、お金を稼ぐことができなければ、生活していけないんだ。
それなのに、何やってんだよ、バカ。
「っ、すみません…」
どうするんだよ、もしこれで、出勤を減らされたら。
ここは、夜間バイトでもないのに自給1500円をつけてくれて、いつも平日週5で出勤させてくれる。
なおかつ私のアパートからも近いお店だ。
こんな条件の揃ったバイト先はもう見つからない。
しかもこのお皿は、前に店長から聞いた話だと、数万はするもので。
それなのに、私はここで雇わせてもらっている身でありながら、店の大事な皿を割ってしまった。