お母さんと二人きりで暮らす男の子は 一日のほとんどを独りで過ごしていました。 楓の森の中に在る 小さな家の窓から 広い広い景色を眺めていました。 「サンタさん、来てくんないかな…まだ来ないよね」 ブツブツと独り言を言ってると コトン…と物音がします。 男の子が窓から身を乗り出して 窓の下を覗き込むと 一人の老人が座り込んでいました。