「なんでよ」


「だって俺は「王子」だし」


蓬田は、とんでもないことを口にする



「王子は、つねに笑ってなきゃ駄目だろ。俺のイメージを壊さないために」


あ――、営業スマイルって奴か?



「て、なんで私があんたのためにそんなことしなきゃなんないの」


意味分かんない!!


「へー。じゃぁ」



いきなり蓬田の顔がドアップになった。

それで口になんか温かいものが触れた



――パシャ


「これ、学校中にバラまいてもいいんだね?」


蓬田が持っていたのは携帯(カメラモード)



画面に映っているのは私と、こいつのキスシーンだった。