急に私が真剣な顔で話し出したから、椿ちゃんはきょとんとした顔で


「なに?どうしたの?」


と聞いてきた。

私は、昨日資料を落としてしまったこと。

資料を拾うのを手伝ってくれた先輩がいたこと。

そして、

その先輩のことが忘れられないことを、

椿ちゃんに話した。


「ふむふむ。つまり真咲ちゃんはその先輩に一目惚れしちゃったってわけだ?」

「一目惚れ!?」

「えっ、違うの?」

「…う〜ん。それが自分でもよくわからなくて。今まで好きな人とかいたことないし」

「でも“気になる人”なのは確かだね。私もその先輩見てみたいな〜!!」


そんなこんなで盛り上がっていると、

あっという間に時間は過ぎて。

昼休み終了5分前を告げる予鈴が鳴った。