ってか、話しに入っていけない…


「藤田って誰なわけ…」


ドカッとソファーに体を沈めた陸斗の隣に座る



マッサーもクッションに座りテーブルに片肘をついた



「Black spider(ブラックスパイダー)…通称『蜘蛛』と言って、そこそこデカいチームで隣街を拠点にしてんだ。関東で唯一、『支配者』の傘下に入っていない。最近は目立った動きがなかったっつーのに…」



「その『蜘蛛』と喧嘩したりとか…そういうのあったりするの?」




「いや…お互い、距離は置いてたから衝突する事はなかった」



マッサーから陸斗へ視線を移した
 

ずっと陸斗は何かを考えてるみたい



「疑問は二つ。一つ目は今までウチとの抗争を避けてきた奴等が何故、仕掛けてきたのか…二つ目は何処から凛の存在がバレたのか」


そう言って輝真はテーブルに置いた缶コーヒーを一口飲んだ


「確かに、そーだよね。彩ちゃんと凛ちゃんに関わるデータは全て伏せてあるし、かと言って隣街から俺達の行動をわざわざ見に来るっていうのも考えにくい」


パソコンから離れ目頭を押さえながら慎二は続ける

「一番に考えれる事は、俺達の中に裏切り者がいるのか…あるいは、俺達の事をよく知っているヤツのタレ込みか…」



「まぁ、仲間が裏切るってぇのは考えにくいな…」


慎二の意見を否定するテツ


「俺も裏切り行為はないと思う」と言い出しっぺの慎二自身も言う



「まずは、俺達の周りで怪しい行動をしている奴が居たら片っ端から取り押さえろ」



今まで黙っていた陸斗が口を開いた