「夏祭りはさ、いっぱい食べたよね。普段結菜ちゃんはあんまり食べないけど、たくさん二人で食べて遊んだね」

「うん。焼きとうもろこしにフライドポテト、かき氷に焼きそばにりんご飴、おいしかったなぁ。射的したり、ヨーヨー釣りしたり楽しかった」

「電車に乗って初めて遠出もしたよね。可愛いスポット巡りしたいって言って京都まで行ったり、ユニバに家族みんなで連れて行ってもらったり」

「京都でいっぱい写真撮ったよね。岡崎神社のうさぎ、とっても可愛かった。ユニバに行った時はお揃いの服で行ったよね。あと、ハリー・ポッターのところで盛り上がって魔法の杖まで買っちゃった」

長いような短いような一夏の思い出を振り返る。結菜の胸がジワリと温かくなっていくが、それと同時に涙もあふれていく。

「もう!泣かないでよ〜。結菜ちゃんが泣いちゃったらあたしまで……」

そう言いながら夏未の目からも涙がこぼれていく。結菜は「ごめん。でも悲しくて」と肩を震わせて泣き続けた。