女はビクッと小さな体を震わせて、ゆっくりと俺を見上げた。
大きな瞳に、目鼻立ちの整った顔立ち。
それでも何処か幼さが残っていて。
透き通る白い肌に薄い紅色の唇が魅力的で。
「…帰る道が…わからなく…て…」
女が発した、か細い声は雨音に掻き消された。
その瞳に溢れる液体は雨のせいか、泣いているようにも見えた。
「そんな所に居たら、風邪ひくよ?」
───襲われるよ?
薄生地のワンピースから、下着が雨で透き通っている。
「でも…っでも……」
更に泣きじゃくるそいつはまるで捨て猫のようだった。
その思った時、変な思いが芽生えた。
…なら俺が拾ってやる。
「それなら俺の家に来なよ……」
そう言った俺を、驚きと困惑の表情で見つめてきた。
そりゃそうだろう。俺だって知らない奴にこんな事いわねぇもん。
ナンパだったらともかく、こんな不思議な奴に………
「……レ…ン?」
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