夏―――

蝉がうるさい季節だ。

普通、高校生と言ったら教室で暑いとうだるところなのだろうが、残念ながらここは全国ナンバー1の学校。

当然、設備は整っている。

誰1人、汗などかいていない。

明日から夏休み。

通知表は、自宅に郵送されるので両親からの連絡がない限り、自分は分からない。

夏休みもほとんどの人が、寮で過ごす。

たまにパーティーなどで出かける程度が普通だろう。

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夏休み―――

夜は、ほぼ毎日、京介・亮・愛斗の部屋か愛梨・和佳奈の部屋で集まってゲームか何かをして盛り上がっていた。

今日は、愛梨・和佳奈の部屋でウノをしていた。

『ぎゃー!!また負けた!!』

『もう1回!!』

『えー!!何回目だよ!!飽きた。』

『愛斗も漫画ばっか読むなよぉ!』

『その漫画マジ泣けるよ♪』

『貸してあげるから、今はみんなで遊ぼうよぉ!』

『んじゃ、借りるわ♪で、何すんだよー。』

『怖い話!!』

『うっわぁー。どんだけベタなんだよ。夏休みの夜に怖い話。』

『いえる~。じゃあ、恋愛話?』

『あっ!!いいかもぉ~♪もういっそのこと暴露大会とか(笑)』

『ハイッ!!俺、杏梨ちゃんと愛斗の話聞きたい♪』

『おっ、いいねぇ♪』

『・・・ぇよ』