「ほらね。

本気になったって泣くだけ。

いいことなんてない。

本気になって馬鹿を見るのは自分だったでしょう?」

怖い。

本当に誰もがこう思うだろう。

だけどもう、誰にも止められなかった。

本当にこの時の私はどうかしていた。

今頃気づいても…もう遅いね。

杏梨…私がこんな馬鹿じゃなければ杏梨は苦しまなかったのに…

本当に愚かだった。

もう、謝ったって何もかも遅い。

私の心にはいつの間にか修復不可能な大きな…大きな溝ができていたんだ。

それに気づいてくれたのは…

愛斗だけだったよ。