T病院は教育方針がスパルタで、看護婦がよく辞めることがあった。


それでも患者の役に立ちたいという看護婦はそのスパルタや陰湿ないじめに耐え、患者に笑顔を与えている。


病院が閉鎖する十年ほど前に新しく入ってきたNという女の人はそのスパルタにも陰湿ないじめにも懸命に耐え、仕事を遂行していた。


段々とその努力が実を結び、厳しかった先輩達は彼女に優しくなり、Nは漸く認められる。


しかし、いまだ陰湿ないじめやスパルタに耐えなければならない同僚はNの事をよくは思わなかったので、今度は同僚からのいじめが酷くなっていった。


その陰湿さは先輩達の物とは比べようも無く、残業時間が延び、早朝から深夜まではほぼ毎日、早朝から翌日の早朝や、夜まで仕事ということも少なくは無く、Nは疲弊し、とうとう自殺を図った。