「今から隣町にあるT病院に向かいまーす」



一旦家に帰って着がえて夕食を急いで腹に詰め込んで学校へとまた舞い戻ってくると、既に二人は到着していて、晴彦が楽しそうにビデオを羽山に向けている。



「羽山裕也君、今の心境をどうぞ!」



「なんつーの?肝試しなんて結構バカげてるかなーって思うけど、案外楽しいんじゃねぇかなーつか、幽霊がいるなら会いたいよなー幽霊よ、出ろ!」



顎に手を当てながら少しキザっぽく語る羽山に、俺は横からパシンと叩いてツッコミを入れる。


俺の姿がカメラに写される。突然現れた俺に、羽山はビックリしたように声を上げ、晴彦は逐一説明を入れている。



「おっとここで緑山信二君の登場でーす!おぉー、イケメン!」



「アップにするな」



俺は近づいてきたカメラのレンズを片手で押しのける。


晴彦は不満そうな声を上げながら渋々カメラの電源を落としてカメラを首に吊るした。