ごめんなさい、芳哉様、彬親様。

 彩希は、甘い溺愛を全部は受け止めきれませんでした。
 こんな不甲斐ない妻を許してください。

『彩希!』

 彩希が倒れる寸前。

 颯爽と、カッコよく横から素早く二人が受け止めてくれる。
 そして、二人揃って心配そうに顔を覗き込んでくれた。

「大丈夫、彩希?
体調が悪いなら、すぐに薬師(くすし)を呼ぼうか」

「だ、大丈夫ですから!
薬師は呼ばなくても、全然大丈夫です!
彩希は、とても元気いっぱいですから!」

 薬師を呼ぶ、と宣言され、彩希は慌てて止める。

 安心してください、病じゃないですから!
 しいていうのなら、旦那様方の甘さに酔っただけですから!

 でも、そんな彩希の奮闘もむなしく。

 この双子の旦那様には、まったく通用してなかったらしい。