けれど。

 突然、するりと首筋を彬親に撫でられ、さらには、後ろ襟を少し捲って肩に口づけられる。

 でも、それだけではやっぱり触り足りなかったのか、彬親はかぷり、と首筋に噛みついてきた。

「ひゃわぁっ!?」

「何だよ、その悲鳴。
可愛すぎか、お前」

「ちょ……っ、彬親様ぁ!?
今……、今ぁ……っ、噛みつい……っ!?」

「あー、うんうん。
真っ赤になって慌てる姿もまた、愛しいな」

 もっと見せてくれていいぞ。

 上擦った悲鳴を上げた彩希に、彬親が愛しくてたまらない、といったように後ろから抱きしめる。

 横から芳哉が、ずるいー、私も、とイチャイチャに混ぜろと声を上げているが、その声は華麗に無視。
 さらに甘えるように、肩先に顔をぐりぐりと押しつけた。