もう、心臓持ちませんから。
 うちの旦那様達、ホントに心臓に悪いんです。
 その表情だけで、胸もお腹もいっぱいなんですよ。

 旦那様のきらきらに負けてちゃダメだっ!
 と心を奮いたたせたのも束の間。

 いきなりぐいっと引き寄せられ、いつの間にか彩希は、彬親の膝の上に抱き寄せられていた。

「きゃ……!?」

「彩希、上の空はダメだよ。
私達の声を、ちゃんと聞いている?」

「俺達が直接、お前のその身にしっかり刻み込んでやってもいいんだが……?」

 またもや甘いお言葉もらってしまい、彩希はそのまま思考停止していた。

 はい。
 わかってました。
 どんなに頑張って抗ってみせても、溺愛することに命をかけてるって言っても過言じゃない旦那様方に、彩希が敵うはずないって。
 上にはさらに、上がいるんです。

 もう返す言葉すら失ってしまって、彩希はただただ、彬親の腕の中で硬直していた。