「そうそう。
絶対イヤだって、私も彬親も言ったんだけどねぇ。
どうしてもって、しつこく言うからさ。
じゃあ、彩希と一緒なら考えてもいいよって兄上……東宮様に伝えたら、仕方ないからいいよって承諾もらったんだよ」

 ごめんなさい、東宮様。
 東宮様のご心労、お察しします。

 きっと、この双子の旦那様をここへ参加させるのに、すごく苦労されただろうと思う。

 二人揃って小さな子どものように、ぷうっと頬をちょっとだけ膨らませて拗ねながら言われ、彩希はトキメキで思わずめまいを覚え、くらりとよろめいた。

 やだっ、どうしよう可愛い。
 その顔、めちゃくちゃ好きですっ!
 
 いや。
 いやいやいや。
 きっと今は、甘さに浸っている場合じゃないでしょう。

(しっかりしなさい、私っ!)

 押しに負けてはだめよ!
 このままいいように流されてしまうわ。

 必死に心を奮いたたせる彩希に対して、双子の旦那様はどこ吹く風。
 ぷうっと膨れ顔のまま、ちらりと彩希を振り向いた。
 それから、まるで甘えるように小首を傾げられてしまった。