「小さなうぐいすはな、より一層可愛く作ってもらったぞ。
お前本人と同じくらい可愛くになるようにな」

　妥協なし、文句なしの自信作、どうだ！

　と、いつになく明るい表情をしている彬親を見て、彩希は思わずニヤけそうになった口元を慌てて見えないように覆い隠した。

　ホント、どうしよう！

　何だか今日の彬親様の行動がめちゃめちゃカッコいいし可愛いんだけど、一体何があったというの!?

　いつもはこんなに饒舌(じょうぜつ)に喋ってくれないのに。
　むしろ、普段はのんびりまったりと、自由気儘に気の赴くまま、喋る気分でないならとことん口を開かない人なのに……。

　思わずきゅんっ、と胸がときめいて、彩希は暴れ出す心臓を必死に宥めた。

　けれども。

「……いや、だから！
そうじゃなくて！」

　違うっ！

　危うく旦那様の自由奔放な波に乗って、どんどん流されそうになってるけど。

　二人の名前を呼んだ理由は、こんなことじゃなくて……。