「私の用意したお菓子か並べられなくなってるんだしさ。
私だって、彩希に食べてほしいんだから……。
彩希も、私の用意したお菓子だって食べたいだろうしね」

「え……っ!?」

 優しい方の旦那様による、思わぬ爆弾発言がしれっと投下。

 あまりにも自然な流れで言われてしまい、彩希は思わず声を上げてしまった。

 待って!
 助け船だって心の中で大歓迎してたのに、もしかして本音はそっちの主張だったんですか!?

 増える菓子の量に困ってた彩希のために自重してくれたと思ってたのに、どうやら違っていたようだ。

 彩希の菓子が増えるのは、もはや決定事項らしい。

 どうしよう。
 こんなにいっぱい、どう消化しようかと考えていたのに。

 旦那様の心のこもった沢山の菓子達を捨てるなんて、何があっても絶対したくない。

 これ、持って帰れるかな。

 いや、持って帰れたとしても、その前にさらに増えるんだけど。

 実際、今まさに贈り物の菓子が増えようとしてるから。

 これからまたさらに増やされたなら、確実にたった一日で太る自信がある。

 二人に拾われて結婚してからというもの、無駄に体重が増えて困っていたというのに、さらに体重を増やそうとしないでほしい。

 本当に、切実に。

 もしかして、餌付けされてるんだろうか。