撮影が終わって、話があるといっていた小野寺さんだけど、まだなにかと忙しそう。

仕方ないから雑談してようかな。

「お疲れ様でした。」

「おつ。
機会あったらまた呼んでやるよ。」

「ありがとうございます。
すごいですね、御園さん。
自分の番組を持つまでになったんですね。」

「なんだよ今更。
俺が番組持つなんて普通のことだろ。」

「だって、小野寺さんがいないと自己管理の一つも出来なかったのに。
少し疲れただけで機嫌悪かったのにー。」

「...今のお前の一言で機嫌悪くなったわ。
っていうか、弟子の前で言うな。」

「あー、
カナエに失望されちゃいましたかねー?」

「私はそんなことで失望しないよ。
もっとユウトくんのこと知りたい。」

「ユウトくんっておまえ...。」

「まんざらでもなさそうですね。」

「うるさい。
...まあ、許容範囲だけど。」

「なかよしですね。」

「...別に。」

とか言いつつ、カナエからお菓子をもらってご機嫌取り戻してる。

「なんだよ。
これ俺のだからお前にはやらねえからな。」

「分かってますよ。
でもそんなに胃袋掴まれちゃって大丈夫ですかね。」

「何がだよ。」

「いえ。
私もカナエに料理教わろうかなぁ。」

「佐伯に食わせんの?」

「はい。この前佐伯さんにすごくオシャレで美味しいお菓子を作ってもらったんです。
だから私もお返しとして何か作りたいなって。」

「佐伯より上手いもんはできないだろうけどな。」

「それはそうですけど。
お返しせずにはいられないですよ。」

「そうかよ。相変わらず、そっちではうまくやってるみたいだな。」

「はい。佐伯さんのちょっと意外なことも知れましたし。」

「なんだよそれ。」

「佐伯さん、実は喧嘩がすごく強いんですよ。」

「まあ、そうだろうな。俺、怒られたことあるからなんとなく分かる。」

「そういえばそうでしたね。
しかも昔はストレス発散に道場破りしてたそうです。」

「うわマジかよ。
そんでお前が彼女とか、佐伯はますますストレス溜まってるだろうな。」

「そんなことないですよ。
...たぶん。」


「え、まつりの彼氏って佐伯さん!?」

「うん。」

「すごい!
まつりはかわいいし、お似合いだよ。」

「ありがとう。

カナエと御園さんもすごくお似合いだよ。」

「おいそれはどういう意味だ?」

「良い出会いってことですよ。」

「それ、付き合えってこと?」

「珍しく察しがいいじゃないですか。」

「はぁ?
おまえ、なに自分にとって調子良いようにさせようとしてんだよ。」

「だってー。
この際はっきりさせた方がいいじゃないですか。別に悪くはないでしょ?」

「だからってお前が勝手に取り仕切るのは
納得いかない。」

「やっぱりその気ではいたんですね。

分かりました。
じゃあ御園さんからどーぞ。」

「今?」

「今です。
ほら、カナエちゃん待ってますから。」

カナエは顔が真っ赤になってる。

かわいい。



「カナエ、俺と付き合え。」

「...はい。」

って、半分涙目でコクコク頷いてる。

めっちゃかわいい。