それで、また改めて水瀬さんを紹介してくれることに。

佐伯さんも一緒にご飯を食べに行くことになった。

2人とも忙しいから申し訳ないとも思うけど。

「こんにちは。
雛形まつりです。」

「久しぶり!
確か、雅のマネージャーだった人だよね?」

「はい。」

「今は歌を歌ってるんだよね?
すごく元気が出て良いと思うよ。好きでよくきいてるの。」

「きいていただいてるんですか?
ありがとうございます。」

「それで、雅とはどう?
上手くいってる?」

「はい。」

「良かった。
雅は真面目なんだけど意外と不器用なところあるからねー。」

佐伯さんは隅でちょっと苦笑いしてる...。

「まだまつりちゃんはお酒飲めないのかー。
私はちょっと飲んじゃうけどごめんね。」

「いえ。」

「雅は飲む?」

「ジュースでいいよ。」

「えー?
分かった。まつりちゃんの前で取り乱しちゃうの不安なのね?」

「そうだよ。それに姉さんの介抱をしなくちゃいけないだろうから。」

「ちょっとくらいならいいじゃん!」

「だめ。」

「もー。
この際、お酒のチカラで悩みとか全部吐き出しちゃったほうがいいよ?」

「悩みは解消してるから大丈夫。」

「私は悩みがしぬほどあるのに、いーな。
さては、まつりちゃんで解消だな?」

佐伯さんは笑ってるし。

なんか恥ずかしい。

「雅はお酒よりまつりちゃんに酔っ払っちゃいそうね。」

「うん、やめられないよね。」

なにを??

「まあいっか。
雅にお酒飲ませるとすぐ寝ちゃうもんね。」

「姉さんが強すぎるだけだって。」

「今度、まつりちゃんも飲めるようになったら3人で飲もうか。」

「お酒の我慢くらべになるね。ぜったい。」

「雅にだけそうするから。
そうすれば思わぬ寝言がきけちゃったり??」

「しないよ。」

ほんとかな...。

「ねーねー、まつりちゃん。
雅の小ちゃいころの写真みる?」

「見ます!」

「ほらー。かわいいでしょ?」

やばい、かわいい...。

「わざわざアルバム持ってきたの?」

「当たり前じゃない。
写真は見られて価値があるからねー。

こんなに可愛ければすぐ有名になれちゃうわけよね。」

「ほんとですね。」

「でも、親は猛反対だったのよね。
なんたって私が仕事選ばずに色々してたの見てたから。雅が可愛くてしょうがなかったのよ。」

「そうなんですか...。」

「分かるなぁ。
こいつ、可愛いもん。

でも、強すぎるのがたまにキズね。
雅が怒ったの見たことある?」

「あるようなないような、です。」

「そうよね。表ではあんまり怒らないんだけど。
ストレスは昔から溜まってるらしくて、解消のためにこっそり道場破りしてたの。」

「え!?」

「昔の話だよ。今はやってない。」

やってないって...。

そもそも道場破りなんて素人には出来ないんじゃ...?

「それに、町中の不良からの喧嘩を買ったりとか。」

「それももうやらないよ。」

できないって言ってほしいよ...。

「まつりちゃんも大丈夫かしら。
雅のストレス解消を一手に引き受けてるのよね?」

「えっと...。」

「だって、雅はひどいときはだいの大人を100人ぐらい殴らなきゃ気が済まないぐらいなのよ?

お酒飲んで寝てもらった方が穏やかにいくんじゃないかしら。」

え...??

「姉さん。あんまり話すとまつりが怖がっちゃうでしょ?」

「でも、私心配かも。
だからもしものときの雅の弱点、あとでこっそり教えてあげるね。」

それはそれで知りたいけど...。