ふいに、後ろから抱きしめられた。

お風呂からあがってきたのかな。

シャンプーのいい香りがする。

「ごめん...。少しだけ。」

「いえ...。」

「ずっと寂しい思いさせてごめんね。」

「そんな...。

...んぅ。」

やだ...。

こうやって、キスすると...。

気持ちが...。

「ずっとこうしたかった。
もっと余裕持たないといけないのにな。」

「余裕...ですか?」

「そう。
ずっとこんなこと、強要されるの嫌でしょ?」

「なんで...嫌って思ってるって決めちゃうんですか。」

「だって...こわしちゃうから。
本当は大事にしたいのに。」

「キスすると...こわれちゃうんですか?」

「そういう可愛い顔見てるだけで、おかしくなっちゃいそう。」

「じゃあ、したく...ないですか?」

「したい。」

ちゅっ。

...だめだ。

今は何にも考えられない。

恋愛...なんて本当はいけないことなのかもしれなくても。

欲しがっちゃう。

それは、仕方ないことだ。

私には、やめられないんだ。

やめられ...。

あ...。

まって...。

は、げしい...!

やっ...、

だめ...。

立ってられない...っ。

「...は。」

色んな気持ちがあふれて...。

「泣きそうだね。
でも、今はぜんぶわすれて。」

「...あ。」

大きな手で目を覆われて。

何も見えないまま、

また唇を奪われた。

...。

何度も繰り返されて。

次第に、

声が...変に...。

...。

どうなっちゃうかわからない。

ぐちゃぐちゃだ...。

溺愛されすぎて。

もう...だめ。