「いいっ!!」
「あっとごめん、ついうっかり――」
うっかり何を言い出すんだ!!と、心の中で叫ぶ。
男の肩がビクッと跳ねたので、私の心の叫びが伝わったのだろう。
「……何だ、どうしたんだ?」
大路くんは、困惑した様子で痛がる男を見ている。
「気にしないで。それより、お言葉に甘えて乗せてもらってもいい?ああ、この人も“是非に”って言ってるから、一緒に」
「……そうは聞こえなかったけどな。“まほ”って言わなかったか?」
「“まあ、ほんとですか!嬉しいです”って言いたかったの。その途中で、おそらく舌を噛んだの」
「……いや、痛がってるの脇腹だぞ。明らかにさっき叶井が肘入れただろ」
物凄く訝しんでいる様子の大路くんだが、ここは多少強引でも押し通すしかないだろう。
脇腹くらいなんだ。それで少しは、自分の迂闊さを反省すればいい。
「あっとごめん、ついうっかり――」
うっかり何を言い出すんだ!!と、心の中で叫ぶ。
男の肩がビクッと跳ねたので、私の心の叫びが伝わったのだろう。
「……何だ、どうしたんだ?」
大路くんは、困惑した様子で痛がる男を見ている。
「気にしないで。それより、お言葉に甘えて乗せてもらってもいい?ああ、この人も“是非に”って言ってるから、一緒に」
「……そうは聞こえなかったけどな。“まほ”って言わなかったか?」
「“まあ、ほんとですか!嬉しいです”って言いたかったの。その途中で、おそらく舌を噛んだの」
「……いや、痛がってるの脇腹だぞ。明らかにさっき叶井が肘入れただろ」
物凄く訝しんでいる様子の大路くんだが、ここは多少強引でも押し通すしかないだろう。
脇腹くらいなんだ。それで少しは、自分の迂闊さを反省すればいい。