私だったら、それを贈られても困惑してしまうばかりだが、まあ魔法使いには魔法使いなりの使い道があるようだし、他にいい物もなかったようなので、黙って頷く。


「レジはあっちね。私、その辺適当に見てるから」


ついて行って見張っていた方がいいかとも思ったが、逆に私が居ると私に話しかける形で迂闊なことを口走りそうなので、ここはついて行かないのが正解であると判断した。

すぐに戻ります。と男がレジに向かったところで、私は宣言通り売り場を適当に見て回る。
棚を一つ見終わるか終わらないかの所まで来たところで、ポンポンと後ろから肩を叩かれた。

すぐに戻るとは言っていたけれど、それにしたって随分とお会計が早いなと思いながら振り返ると


「よっ」


そこには、パンパンになった買い物袋を持った大路くんが立っていた。


「……何で居るの?」

「いちゃ悪いのかよ」


思わず漏らした呟きに、大路くんが苦笑する。