「こうして、スプーンを二つ使って丸めて、こんな感じでこの鍋に落とす」
「おお……なるほど。流石叶井さん、綺麗なつみれですね。美味しそうです」
私には、まだ火の通っていない状態のつみれは美味しそうに見えないのだが、とりあえず男にスプーンを渡し、やってみるよう促す。
男は、かなりぎこちない手付きで私の真似をした。
「じゃあそんな感じで、あとよろしく」
つみれは男に任せ、私は急遽もう一品用意するために冷蔵庫を開ける。
本当はつみれ汁と白米で終わらせるつもりだったのだが、招かれざるとはいえ他人様に夕飯を出すのなら、何かもう一品くらい欲しい。
とは言えガッツリしたおかずを作る気はなくて、小鉢として出せそうな物を考えていた。
候補はとりあえず、おひたしかきんぴらか和え物か――。
「あっ、僕きんぴらごぼうがいいです」
「ニンジンはあるけどゴボウはあったかな……」
また読んだのか、なんてもう訊かないし、何なら言わずとも伝わるのは便利であるとすら思えてきた。慣れとは、凄いものである。
「おお……なるほど。流石叶井さん、綺麗なつみれですね。美味しそうです」
私には、まだ火の通っていない状態のつみれは美味しそうに見えないのだが、とりあえず男にスプーンを渡し、やってみるよう促す。
男は、かなりぎこちない手付きで私の真似をした。
「じゃあそんな感じで、あとよろしく」
つみれは男に任せ、私は急遽もう一品用意するために冷蔵庫を開ける。
本当はつみれ汁と白米で終わらせるつもりだったのだが、招かれざるとはいえ他人様に夕飯を出すのなら、何かもう一品くらい欲しい。
とは言えガッツリしたおかずを作る気はなくて、小鉢として出せそうな物を考えていた。
候補はとりあえず、おひたしかきんぴらか和え物か――。
「あっ、僕きんぴらごぼうがいいです」
「ニンジンはあるけどゴボウはあったかな……」
また読んだのか、なんてもう訊かないし、何なら言わずとも伝わるのは便利であるとすら思えてきた。慣れとは、凄いものである。