「今日もまた随分とお疲れですね、叶井さん。そりゃそうですよね」


何も言わずとも三永ちゃんが納得してくれたことに、私は乾いた笑い声を返す。


「あれだけこき使われたら、そりゃあ誰だって疲れますよ」

「……まあ……今日は流石に、疲れたかな……」


朝から終業時間までずっと、そう本当についさっきまでずっと、主任の命を受けて社内を走り回っていたので、最早体力は底を着きかけてフラフラだ。
今も、ロッカーに体重を支えてもらってなんとか立っている。


「フラフラよろよろしながら壁伝いに入ってきた時なんか、一瞬ゾンビかと思いましたもん」


なるほど、それで先ほど三永ちゃんは、私を見るなり「ひゃあ!!」と悲鳴を上げたのか。

流石に言い過ぎではないだろうかと思いはするが、突っ込む力なんて残っていないので、ははっと力なく笑って終わらせる。


「お昼休憩もちゃんと取らせてもらえなきゃ、そりゃゾンビにもなりますよね」


ちゃんと“ぽい”を付けてくれないと、それではまるで本当にゾンビになってしまったようではないか。

でも確かに、休憩なしは辛かった。