私達を罵倒する声は、放課後まで続いていた。

「結局、謝らなかったねー。」
「どういう精神、してるんだろ。」

私は耐えられなくなって、荷物をまとめて教室を出た。
これから職員室へ行かなければならない。
周りを見渡して、佐倉くんを探したが、見つからなかった。
2人まとめて呼び出されたわけだけれど、一緒に職員室へ行けば、また何を言われるか分からない。
重い足を上げ、職員室まで歩く。
どうして、一体誰がこんなことをしたのだろう。
考えられる人物としては、影石愛…。でも、彼女はこの前、転校してきたばかりだ。文化祭の時の写真を持っているとは考えにくい。

「はあ…。」

職員室の前まで来ると、小さく溜息をついてその扉を開いた。

「失礼します。結城先生に用があって来ました。」

先生と目が合う。いつも通り、眼鏡の置くから鋭い瞳で私を見つめている。
私は、しぶしぶ結城先生の机の前まで移動する。

「佐倉と君を一緒に呼んだが、やはり佐倉からは昼休みに話を聞くことにしてね。とてもデリケートな話題だから、1対1で話を聞くことにしたんだ。取り敢えず、隣の空き教室へ移動しようか。」
「…分かりました。」

先生が立ち上がって、さっさと1人で空き教室へと向かう。
私はそれに無言でついていった。