「キャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

ももちゃんの叫び声が、私達以外の誰もいない教室中に響き渡った。

「そ、それって…!それってさ…!!完全に藍ちゃんのこと好きじゃん!!」
「え?どっちが?」
「佐倉くんも真島くんも両方だよ!!」
「そんなことは有り得ないよ。」
「有り得なくないよぉ!だって、チューしちゃったんだよ!?」

ももちゃんが、興奮気味に言う。
しかし、やはりどう考えても、そんなことは有り得ない。
佐倉くんは酔っていただけだし、真島くんは、舞台の完成度を上げたかっただけだ。
それに、『好きだ』と言われたわけでもない。

「藍ちゃんって、意外とそういうところ、天然だよね。」
「自分では天然だと思ったことないんだけどね。」

おそらく、ももちゃんの方が天然だと思う。
しかし、『天然』だということは、以前、真島くんにも言われてしまったことがある。

「でも、何だか上手く行っているみたいで良かった。」

ももちゃんが、ほっとしたような表情でま笑った。

「うん。これからも良い関係を築けたら良いんだけど。」
「佐倉くんの方は心配…?」
「どちらかと言うと、真島くんの方が心配。」
「え?真島くん?」
「うん。」