「相性1位で入学したのは…！！1年4組！真島広大くんと、湖川藍さんペアです！！」

完全に思考が停止した。
マシマコウダイ…？コガワアイ…？誰、それ。
もしかして…、コガワアイとは、私…？私…私。
私と真島くんが相性1位！？！？

「それでは、お2人はステージ上へ出てきてください。」

へ、へ、へっ…！？
ど、どうしたらいいの…？？ステージ上へ出てきてと、突然そんなことを言われても困る。
幸いそれほど真島くんとは席が遠くない。彼の方を見ると、彼も私を見つめていた。

「わ、わ、私、どうすれば…。」

周りが騒がしくしている中で、これほど小さな声で話しかけても、伝わるはずがない。しかし、真島くんは席を立って、歩き出した。
きっと、私がついてきやすいように、先に席を立ってくれたのだろう。
そして、勇気を振り絞って、私も席を立った。
歩きだそうとした時、ふと後ろが気になって、振り返ると、佐倉くんと目が合った。
どうしてだろう。今、彼と目が合うのは気まずい。この前のことがあったからだろうか。…分からない。

「おめでとう。良かったね。」

私が困った表情をしていると、佐倉が小さな声でそう言った。

「え、えっと…。」
「大丈夫。いってらっしゃい。」

佐倉くんに、大丈夫だと言われると、本当に大丈夫な気がしてくるから不思議だ。
私は何も言わずに頷(うなず)いた。
緊張しながらステージに上がると、そこからは沢山の人の顔が見えた。緊張度が更に増す。
もう嫌だ。早く帰りたい。