「もうこうなったら、私達2人でやるしかなくない!?」

隣で湖川陽芽がはっきりとそう言い放った。

「そうだな。」

先程、家庭科の授業が始まり、俺は封筒の中身を確認した。そこには、研究棟511号室に行き、ペットボトルロケットを作るように書いてあった。
だから、指示通り511号室へきたのだが、そこには何故か、パートナーでも何でもない湖川陽芽がいた。

「でも、この授業は、本来パートナーと一緒に行うべきものだ。相性が関係していたりするんじゃないか?」

全員分の課題を作ったり、研究棟を使ったり、こんなにも綿密(めんみつ)に授業の準備を行っているのだ。おそらく相性が関係し、パートナーと一緒に行うことが絶対条件になっているはずだ。

「そうね。相性は必要かも。ま、でもそれは大丈夫でしょ。」
「なんでだよ。」
「だって、広大くんのパートナーと私は双子なんだよ?」
「性格全く違うだろ。」
「そう?」

そうだ。湖川陽芽と彼女とでは、全く性格が違う。先ず、彼女はこのようにはっきりと思ったことを口にするタイプではない。

「その理論だと、俺のパートナーと本田も相性が良いことになるが。それは無いだろ。」
「確かに。藍と懸くんは、多分、相性最悪ね!あはは!想像したら面白い〜!」

正直、笑っている場合ではない。