「そうだろうか?・・・思うに血の効果は全て同じなのではないか。固体のあるがままを・・強めようとしている」
「そう考えれば、老人が若がえったりはしない理由は説明もつくな。飲ませればかえって危ない。治癒力も効いてる間だけだから普通に年もとる。不老不死にはなれない訳だ」
「だが、健康な人間に対してその効果が続ければ年も取らない可能性はある・・・?」
「どんだけ飲むんだよ?」ティブリンは苦笑を含めた。「それともなにかい? あんたがこれから毎日飲み続けるつもりなのかい」
「そんなことするつもりならもうしている。永遠に生きたい人間がいるというなら、それは自分が生きていて間違いなく自分が幸せだと信じられる人間に限られる」
「そんなこと自覚して生きているやつなんかいないさ」
「単純に死にたくないと願うこととは根本的に違う」
「んん~その違いが俺にはわかんね」
「まあいい・・・話を元に戻すが、効果が続けば不老になることができる。だが、その人間の血は同じ効果は持たないという理解でいいな」
「なるわけないだろ。飲み続けた人間はそもそも普通の人間だ。肉体に作用しているわけで血に作用しているわけではない。万々が一、その成分が血に移ったというのなら多少はあるかもしれないが、その血が他人を治癒するというならそもそもそういう血である可能性を疑ったほうがいい。それに、24時間365日効果持続させるほど飲める人間はいないにしても日常的に戦場にいるお偉方は少なからずいるんじゃないか? それなら、そこから第二、第三の持ち主が生まれないのは何故だ? 効果切れで攻撃受ければ普通に戦死するし、何年も戦場に詰めて戻ってきたら年取ってないとか聞かないだろう。確かに、その件についてちゃんと精査したわけじゃないが・・何考えてるんだよ?」