マネさんの車に揺られながら蓮に膝枕される体勢で乗っ取る。

蓮は俺の頭を撫でながらマネさんと話しとって俺はなんでこんなことになったのか思い出しとったんやけど…


「大毅、ここおいで」

「え、大丈夫やで?」

「今朝熱あったでしょ」

「あんなん微熱やって」

「微熱かどうかもわかんないでしょ」



あー過保護発動したんやったわ

俺もなんだかんだ言って蓮に過保護にされるのも悪くないと思っとる自分もおるからあんま言われへんのやけど


「大毅そろそろ着くって」


車のウインカーの音がしだした時頭を撫でてた手が止まって変わりに声が聞こえた。

もうそんな走ったんか

考え事をしてると時間が経つのはあっとゆう間やなぁ

なんて思いながら体を起こす。


あれ、なんか変や


車に乗っとるせいか視界がぐらぐら揺れる。


「大毅?」


あかん、これ

自分でも何が起こったか分からんから、咄嗟に蓮の肩を掴む。


「ちょ、」


蓮は俺の様子のおかしさにぎゅっと抱きしめてくれて、頭をふわっと撫でられる。

ぐらぐら揺れてた感じが少し治まって体から力が抜けるのが分かった。


「マネさん。多分こいつ今日ダメ」

「え、熱上がっちゃいました?」

「うーん。そうみたい」


ぼやぼやする頭の中最後に聞こえた声は蓮の困った声やった。




目を覚ましたら自宅のベッドで寝ていた。

こんなことばっかりやな俺

小さい時から変わらない。体が変になったら今朝起きたはずのベッドに逆戻りしとる。

なんでこんな体なんやろ…

自然と涙が出てきて、それを拭うこともせずただ静かに流し続けた。

悔しくて、こんな自分が嫌で

蓮にばかり、迷惑かける自分が情けなくて


ギィーと音を立てた扉に肩が上がる。

蓮が顔を覗かせ、狸寝入りする俺の隣に来たのが気配と足音で分かった。


「泣くなら俺の前で泣いてよ」


頬がそっと撫でられる。

目をゆっくり開けると困った顔した蓮が立っていた。

困らせてばっかりやなぁ俺

なんでこんなやつと蓮は付き合ってくれとるんか未だに分からん

俺なら絶対嫌やわ。こんな体調管理ひとつまともに出来ん恋人なんか


「大毅、俺は絶対離れてかないから」

「ん、信じとる」


なのに、どうしても蓮を求めてまう俺は

心も弱い人間なんやろうか