「子供できたの?」



「え?」



「絵本…」



「あ…んーん…
友達に出産祝い

どっちがいいかな?」


彼女がオレに聞いてきた




「…知ら…
…どっちでも…」



「そーだよね…
子供いないと、わかんないよね…」



笑顔っていうより、苦笑いだった?




あれから5年…

オレって、まだ子供いなの?



「旦那さんと、仲良くやってるの?」



「…うん、普通だよ…」



「普通って…よくわかんないけど…
子供は?」



「よく、普通って、言ってたじゃん」


彼女が笑った


笑い方も変わらない



「うん、言ってたね…」


オレも笑った




「子供、まだいないよ…
…もぉ…できない…の方が正しいかな…」



「え…」



彼女の笑顔が曇った


なんか
いけないこと聞いたかも…オレ



「こっちがいんじゃない?
オレだったらこっちが読みたい」



「え…」



「きっと、こっちが好きだと思うよ
友達の子供も」


「うん…じゃあ、そーしよっかな…」


彼女の笑顔が少し戻った




目が合っても





だよね


もぉ話すことなんてない




「じゃあ、ね…」