『でも私の憧れは憧れで終わっちゃうよ。』



私は男の子が苦手だから。




「そんなん俺が治してやるよ。」



私の火照った頬に優しく手を添えて、ペロリと唇を舐めた。



朝倉君の行動一つ一つにドキドキしてしまう。



「どうする?」



『私の…』



「うん?」



小さい声で下を向いて言えば、頬にあてた手で顔を持ち上げて聞こえてたはずなのに聞き返してくる。



意地悪に笑う彼を近い距離で見てまた、顔が熱くなる。



『私の憧れを叶えて!』



真っすぐ彼を見つめてハッキリと言う。



よくできましたと言わんばかりに笑って、彼は首筋に顔を埋めた。
それだけのことなのにまた私の体は震えた。



『な、に?』



チクっと痛みが走った。



「さぁ、そのうち分かるんじゃん??
さ、帰るよ。」




私の首筋を見て満足そうに笑った彼は机に置いたカバンを持って教室のドアを開けた。