黒いまっすぐな瞳と合って動けなくなる。




『そんなんじゃないよ。』



そう、好きだとかそんなんじゃない。




「あっそ。じゃあ憧れか。」



『へ?』



憧れ?
私が土居くんに憧れていたってこと??



「なんだ、気づいてないの?」



フッと鼻で笑って、きれいな動きで机から離れた朝倉君。



今日は色々な表情の朝倉君を見ている気がする。



ゆっくりと静かに私の目の前にきて止まった。



「こういうことに憧れてんだよ。」



『っん』



初めての感覚と乱れる吐息にビクっと体が震える。




「抵抗できないくらいよかった?」



口角を上げて意地悪に笑う目の前の彼に憎悪することなく、むしろ逆だった。
格好よく見えて、胸が高鳴った。




『・・・・』




柔らかい感覚がずっと残っている唇に指をあてる。




「突然ごめん。
でもこういう事に憧れてんだよ、小原は。」