この頃から毎日家で数学だけでも復習をする習慣をつけ始めていた。
先生に出された宿題を解き、わからなかった問題を裏紙にわかるまで解き直す。
そしてそれでもわからなかったら塾の授業中にZ先生に聞く。
たまにZ先生が紙に解法を書いてくれたのだがそれを家に持ち帰って、わからなくなった時にはZ先生の言葉を思い出しながら紙を見返していた。一ヶ月間、そんな毎日を続けた。
Z先生の前では正直になれずに30点取れればいいと思っていたけれど、内心はZ先生の喜ぶ顔が見たくて頑張って60点以上取りたいと思っていた。
だからどんなに難しい問題でも投げ出さなかった。
わかる様になるまでZ先生に質問して解けるまで繰り返した。
Z先生に出会うまで数学が大嫌いで問題さえ見るだけでも辛かった私。
Z先生に出会ってから数学はZ先生と関わることができる唯一のチャンスだと思い、数学を解くことは全く苦にならなくなっていた。
むしろZ先生に教えてもらうことで数学がどんどんわかる様になり、楽しさまで覚える様になっていった。