「あいつは、小嶋は男なら誰にでもすり寄る女だから。たまたまあの時は俺が標的にされてただけで、謙次も俺と同じ目に合ってるから」



必死に説明されて呆然とする。



「なんだ、小嶋の事か。それじゃ咲季ちゃんが勘違いしてもおかしくないか。確かに5月末頃だったか?お前にうっとおしく付きまとっていたな〜。
咲季ちゃんが見たのはその頃なの?」



相沢くんから視線を逸して上杉くんに返事をする。



「う、うん。テストの頃だったから」



手は握られたまま振りほどけないでいる。



彼女と勘違いしてたからか
手を握られたままだからか

突然の事に顔が熱くなってきた。



「それじゃやっぱり彼女じゃないよ。
ってか、将也の兄貴に宣言してる時点で暫定的に咲季ちゃんが晃司の彼女だよね?」



にっこりと上杉くんが笑ってとんでもない事を言った。



「あ、あれは私を助ける為に相沢くんが嘘をついただけ!」


否定しながらも顔がとんでもなく熱くなってるのがわかる。