互いの指を絡めてギュッと握られた。
…………これはいわゆる" 恋人つなぎ "!?
驚いた拍子に後ずさりしたようで、階段の途中だったことも忘れて後ろに出した足が宙を舞ってバランスを崩す。
けれど、腕を相沢くんの脇に挟まれて恋人つなぎされていたので落ちることはなかったけど、力を入れて引き戻されて空いていた左手が勝手に相沢くんの腕を掴む。
「大丈夫?
今日の咲季はいつもと違って落ち着かないね。危ないから上まで手を離さないよ」
耳元でそう言われて思考が停止した。
それでも笑顔の相沢くんに促され、足は勝手に歩き出していた。