上杉くんの計らいで、勉強道具一式はビニールに詰めて上杉くんのバイクのトランクに残し、軽くなったバッグを斜め掛けしてようやく普通に歩き出した。



「よし、じゃあ行こうか」



上杉くんは喜々として歩き始めた。



私も上杉くんの後を追って歩き出す。



長いスカートの私に配慮したからか、山というよりは山間の石畳の参道を歩く。



土曜日ということもあって、ちらほらと観光客が歩いてるけど皆んな普段着のままなのでちょっと安心した。



途中からガチの山登り、なんて事にはならなそうだ。



横には相沢くんが私のペースに合わせて歩いてくれていた。



………そういえば、今日は相沢くんの誕生日と言っていたけど本当なのかな?



相沢くんは、今日は予定がなかったと言っていたのを思い出して疑問に思った。



自分の誕生日だとしてもわざわざ言うタイプでもなさそうだし、かと言って直接聞いて違ってたら恥ずかしいし……。