「………なんで!?」
「俺が咲季ちゃんを気に入っちゃったから。今日は俺と遊んでくれるまで咲季ちゃんを帰すつもりないから諦めてね〜」
私に相沢くんのヘルメットを装着させた上杉くんは目の前でにっこりと微笑みながら圧をかけてきた。
思わず横を向いて相沢くんに目で訴えかける。
………なんで!?遊ぶって何されるの!?
不安になって見つめていたら相沢くんが困ったような顔をした。
「大丈夫、俺が一緒にいるから」
困りながらも優しく微笑む相沢くん。
………いや、だから何で!?!?
もう決定なの?相沢くんも一緒!?
ってか、この二人と!?!?
相沢くんの訳わからない返答に思わず顔が青ざめた。
この二人と一緒にいたらまた面倒な事になるに決まってるっ!
「ふ、二人とも彼女いるんでしょ?私なんかと遊ん」
「俺も晃司も今は彼女いないから大丈夫だよ」
にっこりと微笑む上杉くんは、私がテーブルに広げた勉強セットを勝手に私のバッグに詰めていた。
「晃司、先に咲季ちゃん連れて下で準備してて」
「分かった。行こう咲季」
私の手を握った相沢くんが少し強引に引っ張る。
訳もわからない私は手も振りほどけずに相沢くんの後をついて行った。