「上杉くんって相沢くんと仲良いんだね」
「俺と晃司は小学校からの腐れ縁だからね。咲季ちゃんもこいつに何かされたらいつでも俺を頼ってね」
相沢くんの友達にしてはちょっとチャラく見える上杉くん。
彼も女子に人気がありそうだけど見た目が正反対の二人だな。
この二人と一緒にいるところをバイトの誰かに見られると面倒だな………。
「ありがとう。その時はお願いします」
にこりと営業スマイルに社交辞令を言ってから、バッグに入っている勉強一式をテーブルに広げた。
相沢くん達を無視するように勉強を始めようとしたのに、教科書を開こうとすると横から手が伸びてきて教科書を取り上げられた。
「………すっげぇ……。全然わかんねぇや」
パラパラと中を見た上杉くんがびっくりしながら私を見る。