「相沢くんは金田と違うよ」



相沢くんが私を諦めようとしてくれてた。

それを知った瞬間、何かが吹っ切れた。



「相沢くんは私の彼氏だよ。いつも私の事を考えてくれてる優しい彼氏だよ。
金田は私のことなんて考えてない。
自分のことしか考えない人と私の好きな人を一緒にしないで!」


縋りついた手を離して、今度は手を伸ばして相沢くんの背中に抱きついた。


「咲季……」


相沢くんが何か言おうとしても今度は私の番だと話し続けた。


「相沢くんが5月からストーキングしてたって気持ち悪いとか思わないよ。
だって…私だって…その頃は、相沢くんのこと見てたもん」


そうだ。

気付いた時には相沢くんを探していた。

だから駅で無意識に相沢くんを探してた。

相沢くんがホームで女の子と一緒なのを見て『やっぱり彼女いたんだ』と思ったのは相沢くんを意識してたからだ。