「咲季は……俺の事…好き?」
「うん。好き」
「……本当に?」
「……相沢くんが好き」
問いかける相沢くんの顔は必死に感情を抑えようと苦しそうに微笑んでる。
その苦痛を少しでも解放してあげたい。
そう思った時には身体が動いていた。
私から相沢くんにキスをした。
軽く触れただけのキス。
でも、初めてしたキスは彼の苦痛を和らげるどころか悪化させたようだ。
唇を離して見えた相沢くんの表情は、微笑みすら消えていた。
抱きしめられていた優しい彼の腕も私から離れる。
そして彼が私に背を向けた。
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