そのまま相沢くんにしがみついているとフワリと背中に冷えた感触。
その感触から逃れようと更に相沢くんにしがみつく。
すると、微かに軋む音が聞こえた時には身体が横たわっていた。
「……咲季が落ち着くまでだから」
そんな声が聞こえたけど、相沢くんがいないと落ち着かない。
一つのベッドで抱き合ったまま大人しくしていると冷えていた掛け布団も温まってきた。
「……咲季、もう平気そう?」
いつもより近くに聞こえる声に首を左右に振って否定した。
本当にもう無理だと思う。
相沢くんが離れたら、きっとまた得体のしれない不安感に襲われると思うから。
「……咲季、倒れたこと覚えてる?」
「??……何が?」
「咲季が。リビングで倒れたの」
「……私?」
「そうだよ。マジで焦った……」
抱きしめる腕に力を込めて耳元で囁かれる。
その声も今の私には心地良かった。