「………ごめん、咲季」
オーナーさん達が部屋を出ていって二人きりになると相沢くんに謝られた。
「………?」
いきなりなんで謝られたのか分からず首をかしげた。
「……2階にベッドルームが2つあるから心配しないで。
ただ、咲季に何も言わずに宿泊の予約したから……」
相沢くんはそう告げながら玄関そばに立ちつくしたままだった。
………やっぱり泊まりなんだ……。
そう確信すると二人きりの今の状況が居たたまれなくなった。
でも………。
目の前にあるケーキを見ていたら不思議と気持ちが落ち着いてきた。
きっと私の為に色々考えてくれたんだと思う。
部屋が2つあるなんて普通のホテルとかだと料金も高くて無理だろうし……。
いや、ここだってきっと安くは無いはずだ。
別棟だし、家族が泊まれるくらいの部屋だし……。